2019年05月24日

特別講義

今年はB型肝炎患者による患者講義がテーマです。

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 B型肝炎ウイルス持続感染者数は、日本全国で120万人以上と言われています。その中で、集団予防接種で注射器の連続使用による感染被害者は全国に45万人いるとされています。被害者の方は、それぞれ多くの苦しみを持ちながら、健康問題に向き合って生活されています。
 私たちは看護職者を目指すものとして、なぜこのような膨大な数の被害者が生じたのか歴史を知り、同じ過ちを繰り返さない医療安全の重要性を再認識したいと考えました。また、被害を受けた人の気持ち、差別や偏見による苦しみ、病気そのものによる苦しみについて患者本人の実体験を聞くことで、患者に寄り添うことの大切さを学ぶことを狙いとしました。

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講義後、3学年合同でグループを作り、患者さんの心の痛みについて感じたことや、看護職として心がけたいこと、いま自分達にできることなどを話し合います。3年生が進行役、2年生が書記となってグループワークを行い、まとめたことを発表します。

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【特別講義の感想】

 B型肝炎について事前に教科書等を読み、どのような症状で、どのような治療をするのかは知っていましたが、患者さん本人からその治療の苦しみ、また病に対する偏見・差別があることなど、教科書だけでは知り得ない情報を私たち看護師の卵に直接教えに来てくれたのだと思うと感謝の気持ちでいっぱいになりました。これからの授業はただ身体、病気の知識を学ぶだけでなく、患者さんが抱える不安まで考えて授業を受けたいと思いました。
 未熟な私に今できることは、正確な知識を持つことで偏見や差別をなくしていくこと。看護師同士で話をするときも話し方や話す場所など様々な配慮をすること。医療者側からすると当たり前で日常的なことが、患者さん側からすると非日常であることを理解し、常に患者さんの立場に立って考えられるようになりたいと思います。  1学年 北畑 安季子


 今日の講義で一番心に残ったのは言葉がけについてです。「大丈夫ですよ」や「頑張って下さいね」などの言葉は一見とても優しい気遣いの言葉に思えますが、患者さんからすればなにが大丈夫なのかわからないし、また自分では精一杯頑張っているのに「頑張って」なんて言葉をかけられると、傷つくこともあると思いました。私自身も薬剤師さんの悪気のない一言に傷ついた経験があります。コミュニケーションとしての会話の一部だとわかっていてもとても辛かったです。
 看護師を目指すにあたり、疾患についての正しい知識を学ぶ事はもちろん、患者さんの心の痛みについても学ばなければいけないと思いました。そしてその学んだことをできるだけ多くの人に伝えて、差別などがない社会を目指し努めることがこれからの自分にできることだと思います。  1学年 齋藤 杏香


 今日の講義で患者さんが、自分のカルテにB型肝炎だとわかるようにBと書かれていてショックを受けたという話がありました。グループワークでは実際に歯科医院で働いたことのある先輩が、肝炎患者さんが来られたときには一目でわかるように目立つ印をつけていたと言っていました。患者さんの立場で考えると不快に思う気持ちは想像できます。プライバシーに関わることで隠したいとさえ思っていることを公表されるのは嫌だと思います。しかし血が出る恐れのある歯科で正しく対処するためには職員全員にわかりやすくするのは間違っていないと思います。見落としました、知りませんでした、で他の人に感染してしまっては大変だからです。
 今日の講義を聞かずに看護師になっていたら、感染予防をする責任があるということに重点を置いていたと思います。しかし病気を抱えながらの生活がいかに大変か、どんな扱いをされてきたのか、その人それぞれに背景があるのだと思うと慎重に扱わなければいけないと思いました。肝炎に感染している人が50人に1人の割合でいるとすれば身近な人の中に当事者や家族の人がいるということになります。知らず知らずのうちに傷つけることのないように日頃から気をつけなければいけないと思います。 1学年 吉田 加奈子



 患者さんはB型肝炎にかかったことでたくさんの苦労があったとわかりました。もしB型肝炎にかかっていなかったら、普通の健康な人生を送れていたのにという思いや、これから先自分はどうなるのだろうかという不安など、身体の苦しみだけでなく、心の苦しみもとても大きいものだったと思います。また悪意のある言葉だけでなく、ふとした一言でも患者さんを傷つけることがあるということを知り、より一層看護者として患者さんにかける言葉の重みを考える必要があると思いました。
 患者さんは病気になったことで普通に仕事に行くこと、普通に子どもを育てることなどができず、本当に苦しい思いをされたと思います。病気は身体だけでなく、心に及ぼす面がとても大きいことを知りました。看護をするにあたっても心と体は切り離せないものであり、患者さんの気持ちに寄り添うことの重要さについて改めて知ることができました。これからは今まで以上に相手の気持ちや立場を考え関わっていきたいと思います。 2学年 木村 明日香



 1番衝撃的だったのが、患者さんが差別や偏見を感じやすい場所が病院などの医療機関であるということです。体験談の中には、医療職である前に人としてデリカシーや思いやりのない言葉を投げかけられたという話もありましたが、出産時にトイレやシャワーを分けるなど、私たちから見ると当たり前に思えることで傷ついているということを知りました。
 正しい知識を持ち、患者さんと接することは大切ですが、その接し方を考えないと傷つけることになってしまいます。私たちの「当たり前」や「原則」をそのまま行動に移してしまうのではなく、患者さんのもっている知識を確認しながら、現状や行わなければいけないこと、またその理由を納得できるよう、理解できるように説明することが必要だと思いました。看護師は他の職種よりも患者さんと長い時間関わることができるので少しでも患者さんの心のケアができるような働きかけができるよう努めていきたいと思います。 3学年 松崎 沙霧


 今日の講義を受けるまで、肝炎についての疾患の勉強はしていたものの、B型肝炎訴訟に関してはテレビで見る以上のことは勉強していませんでした。注射器を使い回しながら予防注射をする映像も、どこか現実離れしているように感じられました。患者さんのお話を聞いて、無知であるがゆえにB型肝炎に対し必要以上に恐怖心を抱いてしまうのもわからないでもないと感じる一方、目の前で差別的なことを言われて辛いという両方の気持ちを感じました。正しい知識が広まっていないため、誤解と偏見が生まれ、多くの方が傷つき孤独になっていくのだと学びました。医療を提供する側や看護師の当たり前を世の中の当たり前だと思わず、常に自分の行動を意識し、倫理的配慮はなされているのか自問自答する必要があると思います。普段聞くことのできない患者さんの声を聞く貴重な時間で大変勉強になりました。今日の学びを今後の看護に活かしていきます。 
3学年 伊藤 華那子 
posted by WAKAN運営部会 at 00:00| 講義